2011年2月17日木曜日

高橋洋一の俗論を撃つ!

TPPで農業を自由化すると
日本の農業は本当に壊滅するか

 菅総理は並々ならぬ決意で、TPPを6月までにまとめると言った。同時に増税路線もいっているが、増税については、このコラムの第四回第六回で述べたので、今回はTPPを取り上げたい。

 TPPの正式名称は、環太平洋戦略的経済連携協定(Trans‐Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)。シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの自由貿易協定(FTA)として2006年に発効し、その後、米国、豪州、ベトナ ムが参加するなどして、現在は計9ヵ国で枠組み作りに向けた交渉を行っている。

 モノやサービスはもちろん、政府調達や知的財産権なども対象とする包括的FTAで、原則として15年までにほぼ100%の関税撤廃を目指す。当然、農産物も例外ではない。

 TPPに対しては案の定、農業関係者は猛反発している。民主党では政治問題としても騒がしい。というのは、執行部対小沢一郎元代表の確執があるか らだ。TPPに反対しているのは大半が小沢グループの面々。関税撤廃反対、農家の保護を大義名分に、小沢氏を排除する執行部を牽制しようという本音が透け て見える。

 そこでまず検討すべきは、TPP参加によって、国としてプラスになるのかどうかである。これは大学生レベルの経済学の良問だ。もちろん歴史的にも自由貿易が支持されてきたことの裏付けになる。

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