2008年10月24日金曜日

早坂茂三の田中角栄回想録(早坂茂三著からの引用)

   暮らしを切りつめても援助すべきだ より

 わが国の安全保障を考える場合に、わたしは自衛力の整備、強化だけを頭においているわけじゃないんだ。日本が平和に生きていくには、国際間の平和な環境を維持するために汗を流すことが必要だよ。世界の国々と仲良く付き合ってね、村八分にされたり、つまはじきにされたりすることのないように、エゴイズムを捨てて、経済の面でも、貿易の面でも世界各国と協調していかなければならない。現行憲法の制約があるから軍事援助はいかんというなら、発展途上国にできるだけ経済援助をすればいい。場合によっては、わたしたちの食べるものを減らし、生活水準を多少、切り下げてもやるべきじゃないか。昔のことを考えれば、贅沢になりすぎた面がなきにしもあらずなんだから、暮らしを少し切り詰めるぐらい何でもないことだ。‘‘情けは人のためならず”だよ。経済的な自立を求めて苦労している国に、相手が本当に必要としている援助の手を差しのべれば、必ずよい報いがある。

不動心(松井秀喜著からの引用)

   第3章 努力できることが才能である より

 「人間万事塞翁が馬」を心の支えにしている僕ですが、何もかも達観しているわけではありません。何が起こっても仕方がないと、あきらめているわけではありません。「過去」は決して悔やまぬよう心掛けますが、「未来」は違います。未来に対しては、自分に厳しくありたいと考えています。過去はともかく、未来は自分でコントロールできるのですから。「努力できることが才能である」

   第5章 師から学んだ柔軟な精神 より

 文化や習慣が違うからといって、最初からはねつけるのではなく、よいものは受け入れようという頭と気持ちの柔軟さ。ヤンキースは、こういった柔軟な思考をもった首脳陣が率いているチームなのです。「信念は嘘よりも危険な真理の敵である」という言葉がありますが、僕はこの「信念」を、過度の思い込みと置き換えて考えます。他人の言葉や出来事などを、自分なりに咀嚼し、理解する作業は必要だと思いますが、それが間違っている場合もあるでしょう。実態とかけ離れた、もしくは誤った解釈をしてしまっている時は、自分の解釈を修正し、把握しなおす必要があります。そうしなければ、いつまでたっても真理はつかめません。自分のスタンスをコロコロと変えることも問題ですが、思い込みが激しく、頑なになってしまうのも、またよくないと思います。