2012年4月8日日曜日

権力欲が権力を手にした時

今日の日本を支配しているのは、自民党でも民主党でもなく、この「敗戦後体制」なのです。マルクス主義者や左翼反体制派が喜びそうな言い方をすれば、戦後日本の「支配権力」は、国家でもなく、自民党でもなく、官僚でもなく、「敗戦後体制」そのものなのです。そして実は、もっと大事なことに、この「支配権力」は、我々の外にあって我々を支配しているのではなく、われわれ自身のうちにあるのです。「支配権力」は反体制左翼の妄想の中にあるのではなく、われわれの「精神」の内に住み着いている。それこそ大衆の中に巣くっているのです。戦後憲法、アメリカへの依存と中国への卑屈さや尊大さ、経済的利益中心の発想、そして歴史観や戦後的価値、これらはすべてわれわれの精神にかかわる問題です。「支配権力」はわれわれの内部に巣くっているのです。そこまで踏み込まなければ、今日の日本の「全般的衰退」は食い止められません。民主党が従来の自民党路線を改め、政策転換を行うというのならば、この「敗戦後体制「」まで踏み込まなければなりません。民主党が本当に「反権力」であり、本当に「反体制的」であるなら、対抗すべきはこの「敗戦後体制」だったのです。 しかしむろん彼らにはそんな問題意識はは全くない。それどころか、民主党自体が、(そのネーミングがアメリカの民主党を思わせるように)戦後民主主義という「敗戦後体制」そのものの落とし子だった。これでは、政権交代の意味は何の意味もないでしょう。

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