2008年6月5日木曜日

ルポ 貧国大国アメリカ (堤 未果著からの引用)

  コラム④ 誰がメディアの裏側にいるのか? より

「無知な羊みたいにだまされるな、メディアは国が所有しているとは限らない。ニュースは必ずその出所をチェックしろと教えたはずだ」 私は彼のその一言で、「タイムズ」紙が80年代に共和党支持のメディア王、ルパート・マードッグ氏によって買収されていたこと、彼がイラク戦争開戦直後に、世界中に所有する新聞173紙の社説欄担当者に、この戦争を指示する社説を書くように指示していたことを知ったのだった。 1985-86年の間、二期目のレーガン政権下で、アメリカの三大テレビ・ネットワークであるNBC、CBS、ABCの三局は一斉に大資本に買収されている。NBCは親会社のRCAごと、巨大企業のGE(ジェネラル・エレクトリック)に買収された。GEは第二次世界大戦中に原爆を完成させた「マンハッタン計画」を受注した軍需会社でもある。CBSは投機会社に、ABCはウォルト・ディズニー・カンパニーにそれぞれ買収されている、アメリカ国内で最もよく見られている「FOXニュース」のオーナーは前述のマードッグ氏で、彼の会社であるニューズ・コーポレーションはいまやテレビ局ならず映画会社や衛星放送、出版事業をも抱える国際メディア複合体だ。

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